ビルの楽しみ方 : 三菱一号館美術館

2019年8月17日建築

こんばんは、おやま♂です。

今日は東京丸の内にある三菱一号館美術館に行った際の備忘録と、この記事を読んで下さる方の生活がちょっとでも豊かにできれば!という思いで筆を取ります。

ではさっそく、

JR東京駅から歩いて5分程度に位置する三菱一号館美術館は、英国人建築家のジョサイア・コンドルによって設計された建物です。

出典:https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ジョサイア・コンドル

実はこの建物、2009年に復元されたレプリカで、1894年に竣工したものの、1968年に老朽化で取り壊されました。

ちなみに、ジョサイア・コンドルは明治時代の日本政府が近代化を進める上で、イギリスから日本に呼び寄せ政府お抱えの建築家です。

教え子の1人に東京駅の設計者、辰野金吾がいることは建築界隈だと有名です。

ザッと三菱一号館の豆知識を紹介したところで、今回の記事テーマに触れたいと思います。

キーワードは次の3つ、

1.ファサード

2.天伏せ

3.ディテールとおさまり

多くの方は「???」かと思いますので、とりあえず進めます。笑

1.ファサード

僕は美術館に到着して、建物に入る前にじっくりと外観を眺めます、ジロジロと。

ジロジロ見て何がおもろいん?って感じですが、もし自分がお家を建てるなら、と想像しながら見るのがミソです。

具体的に着眼する箇所は、窓、玄関の門、色、タイル、凸凹した部分、などなど、、、

そういった建物の外観で顔というか面になってる部分をファサードといいます。

ぶっちゃけ専門的な知識がなくても、なんとなくお洒落・かっこいい・可愛い、と思える部分を見つけようとするだけで充分です。

もちろん知識があったら方がより面白いと思いますが、それよりも感動できる心の方が何より大切です。

2.天伏せ

ジロジロ見た後、いよいよ中に入りますが、入ったらまず上を見上げます。

ここも、先のファサードと同じで天井の雰囲気がカッコいいかどうかを見ています。

もうちょっと突っ込むと、照明の配置、スプリンクラーの配置、風が吹き出す穴、、、天井には色々な設備がでてくるので、その子(機器)たちが綺麗に散らばってるかどうかを見ています。

こういった天井機器の並びのことを天伏せと言います。

意外とその並びによって空間の見え方が結構変わります。

人の視界って上の方が注意しやすいからってのが理由だった気がします。

(学生時代、視覚系の研究室に籍を置いてた際の知識ですが、昔のことなので忘れました。)

もちろん、機器だけじゃなくて天井の模様や材もしっかり見ます。

3.ディテールとおさまり

だんだんニッチになってきました。

要は重箱の隅をつつく粗探しみたいなもんです。

でも実はこれが最も楽しくて、設計者の腕の見せ所でもあるので宝探し的な感じです。

例えば、この写真。

エレベーターボタンが三角なのに気づきましたでしょうか。

恐らく、三菱のマークを意識したんじゃないかと思います。

こういう小さなこだわりや職人技が垣間見れる部分をディテールと言います。

本当は館内に素敵なディテールがいっぱいあったのですが、撮影が難しかったのでここには載せれず。実際に行ってみて下さい。

ちなみに、専門家じゃないと解説がない限り、実際の設計者がそこまで意図して作ってるかわからないと思います。

ただ自分なりに解釈してるだけですが、そこが面白いポイントです。

想像力や洞察力を鍛えるトレーニングになります(多分)。

おさまりも同じような感じですが、単に物が綺麗にハマってるかどうかです。

ネームパネルの上ラインと下ラインがぴったりレンガの線に沿ってて気持ちいです。

ちょっと横隙間が空き過ぎな気もしますが、レンガに合わせたんでしょうか。

まぁこんな感じでディテール同様イマジネーションで勝手に語ることも多いです。

以上、

こんな感じで見ていると、美術館だけじゃなくて街中の色々な建物も結構見所があると思いますが、、、いかがでしょうか。

人と同じで建物も同じものはこの世に2つとありません。

参考までに是非色々と散歩や旅行がてらに建物を見てみると、ちょこっと楽しい時間が過ごせるかもしれません。

では、また。