ビルの楽しみ方:リッチモンドホテルプレミア京都

建築

こんばんは、おやま♂です。

先日夏休みを利用して京都に行ってまいりました。

丁度お盆だったので久しぶりに五山の送り火を見たかったのですが、それは残念ながら叶わずでした。

次回はいつお目にかかれるでしょうか。楽しみです。

 

さて、今回もビルの楽しみ方シリーズとして、京都滞在中に宿泊したリッチモンドホテルプレミア京都の備忘録を書きたいと思います。

ではさっそく、

JR京都駅の中央改札から北西に歩いて5分ほどの好立地にあるホテルですが、どうやら2019年4月にオープンしたばかりのホテルだそうです。

外観が行燈みたいだし、夕暮れ時ってのがまた一層良かったです。

設計も施工も竹中工務店によるもので、さすが日本を代表するスーパーゼネコンによる作品でした。

 

余談ですが、竹中工務店は五大ゼネコン(鹿島建設、大林組、大成建設、清水建設、竹中工務店)の一角で、

ゼネコンでありながら設計事務所的な思想を持った組織であり、自ら手掛けた建物は ”作品” と呼びます。

かつて僕が学生だった頃「竹中工務店で働きたい!」と思った時期もあり、本当に魅力的な作品を世に生み出しております。

 

本題に戻ります。

外観、内観ともに京文化を国内外の宿泊客に感じて欲しいのかな?と思うくらいコンセプトがはっきりした建物でした。

調べたところ、京言葉で”自分だけのお気に入りの場所 = 粋場(すいば)”を表現しているようです。

 

実は今回、めっちゃ適当にホテルを選んだので建物としても大して何も期待してませんでしたが、到着してエントランスを見た瞬間「ここのホテルは良い!」と思いました。

パッと写真を見てみると、エントランスの手前で中庭が広がっていて、何となくお洒落だなぁって感じですね。

今回僕が良いなと思った点は、建物の外と中の境界を曖昧にしてる所です。

建物の外と中の境界部分のことを、よく中間領域なんていったりします。

日本家屋の縁側がまさに中間領域のイメージそのものです。

 

先ほどの写真を見ると、深い軒の中に葦簀(よしず:窓に立てかける縦長の日除け)のような仕切りで外と中を区切っていますが、

中庭が建物奥まで伸びており外と中の空間的に連続しています。

しかも周囲はガラスで覆われていて入り口がどこだかわからないくらいです。

 

この中間領域というのは住宅においても非常に重要で、この部分をイイ感じに設計できている建物は経験的にとても居心地がよくなる場合が多いです。

 

中間領域をイイ感じに設計 = 外と中の境界を曖昧にする

 

といったセオリーがありますので、もし将来一軒家を購入される方は覚えているとお得かもしれません。

なんで居心地が良くなるかはわかりませんが、多分、部屋の中に居ながら外の空間を感じた方が開放的な気持ちになるから、とかだと思います。

確かに閉塞的な空間よりも大空の下で寝転がった方が気持ちかったりしますからね。

ライブハウスよりも野外フェスが人気な理由の原因の一つがこれなのでは、、、

 

また余談ですが、葦簀(よしず)の親戚に簾(すだれ)ってのもありますが、こいつら二人ともめちゃくちゃ優秀です。

出典:https://ja.m.wikipedia.org/wiki/すだれ

日除けもできるのに風を通し、さらに外からの視線は遮ります。それでいて中からは外の景色が良く見えるという最強のツールです。

夏場窓からの日差しが暑くてたまらないという方はカーテンや遮蔽フィルムよりも葦簀か簾を置いてみて下さい。劇的に気温が変わります。

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最近はこんなお洒落な簾もあるので、興味があれば是非色々探してみて下さい。

 

続きを書いていきます、

 

エントランスロビーはこんな感じで非常に天井がすっきりしてます。

これって意外と面倒で、意匠設計者と設備設計者が綿密に打ち合わせしないと実現しないんです。

天井に散りばめられた照明や空調といった設備機器達の様子を我々設計者は天伏(てんぶせ)と言います。

建物のユーザーは普通天井を見上げるものですが、図面を書く設計者達は天井を見下げます。

図面上は天井に色々な設備機器が伏せているから天伏と呼びます。

 

チェックインを済ませてそのままEVに乗って客室廊下にあがりました。

EV一つとっても、ボタン・籠内の天井照明・鋼板扉の模様・音声アナウンス・出入り口の隙間の大きさ等、、、見どころがいっぱいあるので本当は詳細にレポートしたいのですがキリがないので今回はスルーします。

 

客室廊下で自分の部屋番号を探すのですが、サイン(標識)がかっこよかったです。

やはり竹中工務店さん、サインもしっかりカッコいいのを用意してくれてます。

 

そしていよいよ客室に入りますが、照明・コンセントのプレートが神保電機のNKシリーズなことに感動しました。しかも最新。

スイッチ一つとっても、やはりカッコよくて使いやすく丈夫な方がいいですね。

手触りも非常に良いので、将来自宅に設けたい逸品です。

 

で、ホテル客室に到着したら恒例の測定&スケッチタイムです。

設計事務所に入社してから測って描く旅という本を読みまして。

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著者はインテリアデザイナーの方ですが、その方はホテルに泊まる度に部屋のスケッチを行っているのです。

そんな楽しみ方があるなんて、という衝撃を受けました。

 

それ以来、ホテルに泊まった際は僕も真似してスケッチするようにしています。

僕の場合は自己満の世界なのですが、これはこれで密かな楽しみとなっています。

生憎この日はメジャーも三角スケールを自宅に忘れてきたのでヒューマンスケールでの測定となりましたが、手のひらは広げると親指から小指まで約20センチあることを知ってれば一応測れます。

他にカーペットを見て「これは50センチ角を敷き詰めたな。」とかがわかれば部屋の大きさもある程度掴めます。

(本当はちゃんと測りたいんですけどね。)

 

ちなみにその時のスケッチがこちらです。

まだまだ拙いですが、もっといっぱい描いて上手くなりたいです。

 

ちなみに、実際の部屋はこんな感じでした。

 

スケッチが終わった後、せっかくなので1Fのレストランに行きました。

お茶漬けとドリンクが無料で食べ飲み放題ということなので行くしかありません。

 

僕は昔から冷房がガンガンに効いた部屋でホットコーヒーを飲むのが非常に好きなんですが、

これまた生憎コーヒーメーカーが故障だったので、キンキンに冷えた野菜ジュースを何杯も飲みました。

(野菜ジュースめっちゃ好きなんです。)

レストランのイスはどっかで見たことがあるようなイスですが、思い出せませんでした。

今もまだ調べがついてませんが、多分、飛騨産業のウィンザーチェアな気がします。わかった方いたら教えて下さい。

初見で何のどのイスかを答えられなかったので、まだまだイスマニアの道は遠いなと感じました。

 

レストランの天伏も綺麗に整っており、照明器具が見えないのに光が上から来るのがよかったです。

ペンダントライトも汚い配線がわからないように天井から吊るされていたので意匠的にもカッコいいです。

しばらく写真を撮ってゆっくりジュースを飲んだ後、昆布だしの効いた新米茶漬けを一杯かきこみ、そのまま部屋にもどりました。

全体的に作りが綺麗で、京都らしさも感じられる素敵なホテルでした。

何よりドリンクとお茶漬けフリーは素晴らしい。

 

さて、ちょっと今回の記事もマニアック過ぎてビルの楽しみ方を伝えられたのか非常に微妙な所となってしまいました。

というか本当にただの備忘録となっていますが、、、

是非、ご自身で建物を見学される際は、ここの記事内容を少しでも思い出してもらえると最高に嬉しいです。

その結果この記事を読んでくれた方が旅行先で、「建物を見て楽しい時間が増えた!」なんて思ってくれたら幸せの限りです。

 

では、また次回に。