教会にまつわる無駄知識

2019年11月4日建築

こんばんは、おやま♂です。

最近はスペインのサグラダファミリアが完成しそうだったり、かと思えばフランスのサン・ピエトロ大聖堂や沖縄の首里城が焼失したり、建物のトピックが耳に入る今日この頃。

今回は20代~30代になるとよくお世話になる建物に関して書きたいと思います。

 

20代~30代になってよく発生するイベントに結婚式があるかと思います。

私の周囲も結婚ラッシュなようで、私の場合は平均して月1ペースで式へ招待頂いております。

ありがとうございます。

 

さて、基本的に結婚式で楽しいのは披露宴会場の食事や歓談、余興、二次会、三次会、、、ですが、

今日は「誓いのキス」や「指輪交換」以外はスルーされがちな挙式会場にフォーカスしたいと思います。

 

我が国の結婚式で挙式が行われる場所として最も多いのが「教会」です。

仏教徒がほとんどの日本国ですが、教会での挙式が多いってのは面白いですね。

さすが、唯一神のキリスト教徒・イスラム教徒と違い生活の中に「八百万(やおよろず)の神々」を見出す国民なだけあります。

 

そんな教会にまつわる無駄豆知識を今日は紹介したいと思います。

 

1.教会の十字架を探せ

挙式会場にはだいたいどこかに十字架があります。

いや、当たり前やん!!と思うかもしれませんが、

祭壇に飾られていればわかりやすいですが、会場の間取り(俯瞰してみた場合の平面)で十字架をつくっていたり、

天井設備機器で十字架を作っている会場もあったので、意外と見つけられない場合もあります。

 

 

写真:北野クラブsola、設計は天藤建築設計事務所

 

ちなみに、十字架って代表的なもので2種類あるのをご存知でしょうか。

一つは、人を磔にできそうな感じで真ん中の線が伸びた「ローマ十字(あるいはラテン十字)」です。

 

 

もう一つが、緑か赤に塗ると完全な病院マークになる「ギリシャ十字」というやつです。

 

 

さて、結婚式に使用される教会だと、どちらの十字架の方が多いかご存知でしょうか。

これは何となくわかるかもしれませんが「ローマ十字」ですね!

しかも、由緒正しい教会だと上から俯瞰してみた時、大体ローマ十字型の建物・間取りになってます。

 

 

※緑色:牧師、青色:新郎、桃色:新婦、茶色:参列者

 

なぜローマ十字が多いかといいますと、、、これは古代ローマ時代と古代ギリシャ時代に遡って歴史を語らなければなりません。(笑)

流石にこのブログ1記事だけでは語り尽くせないので説明を割愛します、が、

もし興味があれば「西洋建築史」を調べてみて下さい。

(多分、海外旅行がより楽しくなりますよ。)

 

なのでザックリ理由を言いますと、建物の平面を「ローマ十字型」で作られた教会は、

キリスト教徒のミサやイイ感じの儀式用に作られた建物で、

「ギリシャ十字型」で作られた教会は

死者と関わるための特別な儀式用に作られた建物だからです。

 

これらの建物ができる経緯をすっ飛ばして説明しているので「???」な人もいるかもしれませんが、要は用途・目的が違うので、

お祝いのたもの儀式(挙式)だと「ローマ十字」のある建物でやってるといった感じです。

 

とはいえ、日本人からしたらローマもギリシャもあんま歴史的に関係ないので、

気にしなくても良いかと思いますが、背景を知っていたらローマ十字の方がなんとなく良い気がします。

 

2.牧師が立っている所に立ちたいけど、、、

挙式のハイライトは「誓いのキス」ですね。

みんなが座っているところよりも、ちょっとお高い祭壇からこれ見よがしに接吻する様を提供するあの空間。

微笑ましい限りですが、あの祭壇って実は選ばれた人間しか立ってはいけない決まりなのでご存知でしょうか。

 

そんなん新郎・新婦・牧師やろ?と思うかもしれませんが、

ぶっちゃけ牧師(聖職者)と聖歌隊しか立ってはいけません。それも2000年以上くらい前から決まってます。

 

牧師のが立ってる後ろに十字架とかお花とかステンドグラスが飾られている場所を「アプス」と言います。

教会の中で最も神聖で神に近い場所です。

 

出典:http://deo.o.oo7.jp/construction/study/Europeanchurch.html

※バシリカ式教会というのがよく挙式で使われる教会だと思って下さい

 

「八百万の神々」を信仰する日本人といえども、さすがにアプスに立つのは冒涜の極みなので控えましょう。

神社の鈴緒にぶら下がるくらい罰当たりです。

 

で、牧師が立って新郎新婦が近いのキスする場所を「内陣」と言います。

そこまでは神の領域なので不用意に聖職者以外が立ち入ってはいけません。

神社の賽銭箱に5円玉を強めに投げ込む感じなので、悪かないけど控えましょう。

新郎新婦は牧師(聖職者)がOKだしている(特別な許可を貰っている)から立てているだけです。

 

まあ、日本人にとって教会が馴染みないものですし、さらに式場一体型だと正式な教会じゃないからそれほどナーバスになる必要もないとも思っていますが、

教養として知っていても良いかと思います。

(現に私が結婚式場の下見に行った時、結構普通に立ち入ってる人は多かったです。)

 

ちなみに、キリスト教徒でない下々の者というか迷える子羊が教会で通って良い場所は、「側廊」「周歩廊」だけです。

つまり壁際の通路だけです。

「身廊」と呼ばれる真ん中部分のイスとかヴァージンロードの部分は、本来は純粋なキリスト教徒しか入れません。

日本国内のキリスト教徒は人口の約1%なので、ほとんどアウトなのにバリバリ入ってますね!

 

てな感じで、結婚式の挙式に呼ばれている参列者や誓いのキスをしてる新郎新婦は、やはりその空間の中でも選ばれた存在になっているので、

「挙式って思っている以上に神聖な儀式なんだなぁ」と毎度結婚式に出るたびに思いながら祝福させて頂いております。

 

 

以上、本当は教会建築の見どころとかもっと歴史について語りたかったのですが、

いよいよ読者がいなくなりそうなのでこの程度に留めておきます。

もっと知りたい方は自分で調べるか私に連絡下さい。

 

今度知人・友人の結婚式にいかれた際は式場の建物も楽しんでみて下さい。

それでは。