Chair Map! ネイビーチェア@Mercedes me Tokyo
こんにちは、
本記事でもChair Mapなるものを作成しましたので、是非見て下さい!
「何それ?」って方は是非下記の記事もご覧下さい!
今回Chair Mapに載せたいのは、
ネイビーチェアー
という椅子です。
1944年、アメリカ・ペンシルベニアの家具メーカーのエメコ社が、アメリカ海軍から軍艦・潜水艦用の椅子の生産要請を受け、
この軽くて丈夫で座りやすいネイビーチェアを誕生させました。
残念ながらこの椅子を考案したデザイナーの詳細はわからないのですが、
軍用に留まらず、今や世界中で広く使われるエメコ社のベストセラーとなってます。
ところで、1944年に世界で一体何があったかと言いますと、ご存知、第二次世界大戦です。
とくに日本はマリアナ沖海戦にて惨敗、インパール作成の大失敗、神風特攻隊の編制等、
想像を絶する状況下で、何万人という未来ある尊い命が失われ、国として混迷を極めた非常に過酷な時代です。
ネイビーチェアは正にこの時代の渦中に誕生し、太平洋を渡ってくる当時のアメリカ兵を影で支え続けたのでしょう。
いつの時代も戦争を起こすのは上で踏ん反りかえったお偉いさん達で、泣きを見て被害を被るのが末端の兵士や市井の人々です。
現在、このネイビーチェアが単に軍用ではなくカフェやレストラン、自宅のインテリア等でも使われる時代になったことは、
少なくとも発売当時よりも平和である証拠なんだろうと私は思ってます。
さて、この椅子、こんな無骨な見た目にもかかわらず意外と座り心地がいいんです。
座面が微妙に窪んでいてお尻を包み、背面も緩やかに曲がっていて背中にあまり負担を感じません。
しかも環境に配慮され製作当初から再生アルミを使用し、全体にアルマイト加工を施しており軽くて錆にも強い優れものです。
海水と隣合わせで重量制限のある潜水艦用の椅子であることを考えると納得です。
さらに、通常のアメリカのダイニングチェアよりも細身で小ぶりな形状にしたのも、潜水艦ハッチに積みやすいよう設計したためと言われております。
個人的に、大柄のアメリカ海兵よりも私達日本人の小柄な身体の方が馴染むような気がしました。
今回このネイビーチェアを、六本木・乃木坂にあるメルセデス・ベンツのショールーム兼カフェ、
Mercedes me Tokyoにて発見しました。
日本で(しかも六本木・乃木坂で)ドイツ社ベンツのカフェの椅子が米軍御用達のネイビーチェアというのが何とも感慨深いです。
※乃木坂は夏目漱石の有名な著書「こころ」でお馴染みの、
明治天皇崩御と同時に殉職した帝国陸軍・乃木希典将軍の名前から取った名称です。
なお、この建物の外観がかなり尖ってカッコいいなあと思っていたら、設計は窪田建築都市研究所が手掛けており、
やはり建築家が関わっていたようです。
最近青山や乃木坂等の六本木界隈の椅子調査をしてますが、ハイソサエティ感(?)が高い街なので、
ちょっと歩けば素敵な椅子に出会えるため、機会があれば是非皆さんも闊歩してみて下さい。
(今のところ、丸の内、銀座、六本木は高確率で著名な椅子に出会えることがわかりましたが、、、
恐るべしハイソサエティエリアです。)
このネイビーチェアは冒頭でも述べたようにアメリカのエメコ社から正規品が販売されています。
価格:107,800円 |
もちろん、1944年の椅子なのでお手頃価格のリプロダクトも存在します。
ネイビーチェア 2脚セット リプロダクト ダイニングチェア レッド アルミ ブラック MTS-056 価格:19,800円 |
一見、所詮アルミ製だから型流しで大量生産も簡単なくせにやたら高過ぎないか?と思うかもしれませんが、
これらの椅子は当時から今も熟練した職人の手作業で溶接が行われ、多くの工程(77工程)を得て完成するかなり気合の入った椅子です。
見た目と裏腹に座り心地が良いのも、職人が真心こめて出来上がっているからなのかもしれません。
(実際の当時の製作設計図を見ても、背面傾斜や座面の屈折をかなり研究して作ってるみたいですよ!)
以上、本日はここまでです、次回もまた宜しくお願い致します。
それでは。
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