Chair Map! Paimio chair @ 兵庫県立美術館
しばらく更新をサボってましたが久々投稿です、お手柔らかにお願いします。
さて、先月関西に帰省した際、偶々神戸の兵庫県立美術館で”アルヴァ & アイノ・アアルト”展をやっていることを知りまして、もちろん行ってきました。
実は東京でも同イベントは開催されてたのですが、予定が合わず涙を飲んでいたこともあり無事行くことができて本当に良かったです。
アルヴァ・アアルトに関しては過去記事を書いているため、良かったら読んでみて下さい。
↓ アルヴァ・アアルトに関する記事 ↓
ちなみに、アイノはアルヴァの妻で同じ建築家・デザイナーです。
当時女性が建築やデザインに携わるのを良しとされていなかったこともあり、夫のアルヴァとの共作という形で作品は披露されている形をとっているものもありますが、
中々洗練されたものが多いため是非興味があれば調べてみて下さい。
身近な作品だと、イッタラのガラス細工なんかはアイノが関わっているものが多いです。そして我が家のコップはイッタラです。
さて本題。
私がここで記載したいのは今回のタイトルにもある通り、
Paimio Chair
という椅子です。
※なお展覧会は既に終了しておりますが、アルテック社のショールームに行けばいつでも椅子は体験可能です。
突然ですが、サナトリウムというのをご存知でしょうか?
療養所を意味しており、特に空気の澄んだ自然溢れる山の中や郊外、潮風気持ちいい海辺等に設けられた結核療養所を指すことが多いです。
この椅子はフィンランドのパイミオサナトリウムに滞在する結核患者のために作られた椅子なので、パイミオチェアと呼ばれています。
もちろん、サナトリウムの設計はアルヴァ・アアルトによるもので、椅子もアルヴァ自ら設計しました。
フィンランド産のバーチ材(白樺)を長く切り出し、木目を同じ方向に揃えて何枚も重ねた積層合板を作り、
それを曲げることによって滑らかなカーブを描いたフォルムを生み出してます。
この技術はアルテック社が得意とするもので、以前投稿したStool 60もまさに同じ要領で製作されます。
結核患者がゆったり座れるように考案され、1Pソファーと言った方が正しいですが、北欧家具を代表する名作椅子の一つです。
※写真は私が愛読する椅子に関する名著(というか図鑑) ”1000 chairs” より。
私は、美術館に年に数回行くように心がけています。
何となく感性を磨いていれば、本業の設計にボディブローのように効いてくると信じて、、、
で、今回のように建築メインだと技術的な説明が多いため作品近傍にある説明文に目を通しますが、
通常絵画や彫刻等の場合は現地ではあまり説明文を読まずに見たままに受け取るようにし、
最後に展示作品をまとめた図書を購入して後から読み返すことが多いです。
別に美術に造詣が深いわけでもないですが、自分なりにああでもないこうでもないと一旦考えたいだけなんですけどね。
美術館の催事ごとに発行される図書って、どれも表装がカッコいいんですよね。
写真は今回の図書で、手前の絵葉書はパイミオサナトリウムの平面プランです。
ここでパイミオチェアの気になるお値段ですが、、、
【ポイント10倍!】artek(アルテック)アームチェア 41 Paimio(パイミオ) ホワイト【取寄品】 価格:518,100円 |
なんと約52万円!、、、笑
上記安心安定のヤマギワオンライン(意匠性照明に特化したヤマギワ照明が展開しているサイト)なので正規品を取り扱っておりますが、なかなか庶民には手がでないですね。
あえて申し上げると、パイミオチェアを製造しているアルテック社は「良い椅子を庶民に」流布させる目的で設立しておりますが、彼らの考える庶民とは何かが気になる所です。
実際座ってみた感じバーチの固い座面にも関わらずゆったりできる代物ではありました。が、52万は鬼畜の所業、、、。
近年のご時世では北欧家具 = 高級となっているため、設立当初の思い(良い椅子を庶民に)に反し、なんだかステータスを誇示するための所持品になってる感はぬぐえないです。
とはいえ、意匠性・耐久性・機能性の3拍子揃った椅子には違いないと思いますので、経済的に余裕のある方は是非。
さて、本日はここまで。
何となくお気づきかと思いますが、最近コロナ禍で余程の理由がないと遠方に行くこともなく、街中をうろついて素敵な椅子を探すことも適わない世の中となってしまいまして、、
お陰様でというか皮肉なのですが、椅子地図を書くにもネタが切れているので実は困っております。
少しブログの内容に変化を持たせていこうかと思案しておる最中なので、椅子関係ない記事でも良かったら目を通してもらえると幸いです。
これからも色々な椅子に出会って体験し、立派な座り通(?)になるためにも、早く事態が収束することを祈るばかりです。
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